そのテニス部には、「生意気」と目された新入生へのイジメがある。
フェンスに縛りつけて炎天下に放置するのだ。
だが、今年の部長は少々サド気があるらしい。
手足だけでなく、胸や股間まで縄で縛り上げたうえ、
彼女の口に猿轡がわりのテニスボールを押し込んだ。
(ちょっと、かわいそうだよ)
(いくら何でも、やりすぎじゃない?)
「何コソコソ話してんだい。あんた達も、この子みたいにされたいの?」
ヒソヒソと囁いていた同級生は、部長に一喝されて沈黙する。
友達の支援も失った彼女は、ほとんど泣きそうな顔で部長に憐れみを求める。
「泣いたって無駄だよ。たっぷり反省して貰うからね。」
部長はそう言って、冷たい指で彼女の頬をつるりと撫でる。
「日焼け止めも塗らないんじゃ、後で真っ赤に焼けて大変だろうね。」
「ん〜ぐぅ、んぐぐぅ…。」
「勿体無いねぇ、こんな白いお肌が日焼けでガサガサになっちゃうなんて。」
ペンペン、と軽く頬を叩いて、部長はくるりと背中を向ける。
「何やってんだい、見世物じゃないんだよ!二組に分かれてサーブ・レシーブ100本!返事はっ?!」
「は、はーい!」
やがて響き出すラケットの音を聞きながら、彼女は動くこともできず、段々強くなる日差しにじりじりと焼かれてゆく…。