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hr100
暑苦しい、饐えた異臭のたちこめる男子トイレに彼女は居た。「居た」というより、居させられたと言うべきかも知れないが…足音を聞きつけ、顔を上げた彼女は僕を認めると、憐れみを請うような、それでいて何処か睨み付けるような目つきで僕を見上げた。
「そ…そんな目で見るなよ。ぼ、僕は普通に用を足しに来ただけだから。」
「そう…なの?」
彼女が僅かに身体を動かすと、ギシッギシッと縄の軋む音がする。太腿に喰い込んだ縄目の周りが、痛々しいピンク色に染まっている。僕は彼女から目を逸らそうとしたが、彼女の視線がそれを許さなかった。
「ごめん…僕には何もしてあげられないよ。」
「どうして…謝るの?滋賀君は何も悪くないのに。」
「甲斐さんだって!何も…悪くないじゃないか。誤解だよ、君がこんな目に遭わなきゃならないなんて。」
馬鹿な話だ。数日前、男子トイレで女性用の生理用品が見つかった。そして誰言うとなく、それは甲斐が投げ込んだのだという噂が流れた。彼女は終礼で槍玉に挙げられ、何ひとつ反論することもなく、「神聖な男子トイレを汚した罰」としてこんな酷い目に遭わされているのだ。
「君にも判っているんだろう?みんなグルだって。委員長も、男子も女子も、そして先生も…。」
「判っていたからって、気休めにもなりはしないわ。」
それは…そうだろう。こんな汚い場所で、こんな恥ずかしい格好をさせられて、男子に身体を弄ばれ、女子には意地悪い含み笑いを送られて、丸一日を過ごさなければならないなんて。校則だか何だか知らないが、この学校はどうかしている。
「ごめん…本当に済まない。でも、僕には、何もしてあげられないから…。」
「謝らないでッ!!」
鋭い声に、僕は思わず硬直する。男子トイレの異様な光景のなかで、二人の時間が静止する…。

「犯してよ。」
僕は自分の耳を疑った。何だって?今、彼女は何と言ったんだ?!
「ねぇ、私を犯してよ。志賀君なら、私だって許せるから…。」
「でも、どうして!どうして、僕が、そんな事を…。」
「貴方がやらなくても、誰かにされてしまうんだもの。」
ギシッ、と縄の軋む音が響く。
「判ってるよ、私だってバカじゃない。誰がこれを仕組んだか、私をどうする積りなのか…全部判ってるんだ。判っていても、どうしようもないんだ。だから、ねぇ、滋賀君。」
彼女の視線に射られ、僕は心臓がドキンと鳴るのを感じる。
「だから、私を犯して?手遅れになってしまう前に。ホントの事を言うとさ、私…濡らしてるんだ。こんな酷い目に遭わされてるのに…こんな女の子、滋賀君はキライ?」
僕は頭に血が上って、何が何だか判らないまま…スカートも下着も剥ぎ取られた、彼女の後ろに回りこんだ。その部分は彼女が言うように…ピンク色に充血し、白っぽい液体を滴らせている。
「甲斐…さん…いいの?本当に、僕なんかで…。」
「いいよ、滋賀君ならいいんだ。だから、挿れて…私を犯して。そしたら、私も許せるから。こんな状況で初体験を迎えても、サイアクじゃなかったって思えるから。だからお願い…滋賀君のチ○ポを、私のオ○ンコに突っ込んで!」
僕は尿意も忘れて、ズボンのチャックを下ろしてそれを取り出していた。その後のことは…暑苦しく、異臭に満ちた空気と、ギシッギシッという縄の軋む音と、彼女の喘ぐ声以外はよく覚えていない…。

@A_g@Cu`bg