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hr103
その村には知られざる奇祭があった。十二年に一度、少女の純潔を御神体に捧げるのだ。その御神体は馬であり、祭りは豊作を願うものだという。
日が暮れる頃、選ばれし少女は身を清めたあと巫女装束を着せられ、御神体を象徴する木馬に乗せられる。
激痛にあえぐ少女のまわりで、村人は飲めや歌えやの大宴会を繰り広げ、酒が回ってくると祭りはいよいよクライマックスを迎える。
彼女は馬から降ろされ、村中の男に輪姦されるのだ。
順番を待ちきれない男や物足りない男は、手当たり次第に辺りの女と交わることを許される。
やがて、最後の男が精液を彼女の胎内に注いだとき願いは成就され、豊作が約束されるという。

明治維新のあと、この祭りは非文明的な野蛮行為であるとして、新政府の通達によって禁止された。
だが祭りを止めたあと、村は記録的な不作続きに見舞われ、祟りを畏れた村人はひそかに祭りを再開したらしい。
その奇祭は今でも続いているという噂がある。真相は誰にも判らない。
外部の人間には決して知らされることのない、名もなき農村の秘密である。

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