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hr150
今、何時頃だろう?彼女は考える。
目隠しの下から、日差しの明るさはわからない。
だが、半ば剥かれた身体が肌寒くなってきたことから、
陽が傾きつつあるのだろうということはわかる。

ここは何処なのだろう?彼女は再び考える。
屋外ではないだろう。だが密室でもない。
隙間風。犬の吼え声。遠くを走る汽車の音。
…町外れの廃工場だろうか。当たらずとも遠からずだろう。
下校途中、いきなり停車した車に、
腕を掴んで引きずり込まれ、変な薬を嗅がされて…
気が付いたときはこうなっていた。
時間の感覚は失せていたが、丸一日も気絶していたとも思えない。
あれからまだ陽があるということは、それほど遠くへは運ばれていない筈だ。

私はどうなるのだろう…と彼女は考える。
そもそも、なぜ私がこんな目に遭わなければならないのだろう?
身代金目当ての誘拐なら、こんな姿を晒したりはするまい。
強姦が目的なら、気絶していた間に用を済ませているだろう。
だとしたら、残る可能性は…
腹の底から冷えてくるような、おぞましい感覚を彼女は感じる。
何ヶ月か前の新聞に出ていた、変質者による女子高生誘拐事件。
遺体はバラバラに切断されてゴミ箱に捨てられていた。
すぐに捕まった犯人は、彼女を殺した理由をこう供述していた。
「僕を満足させてくれなかった」と…

突然響いた金属音に、彼女は思わず身をよじらせる。
だが、相変わらず人の気配はない。
さっきの音は、壊れた戸が風で叩かれた音らしかった。
彼女は足を踏み換え、吊るされた両腕に体重を預ける。
こうしている方がむしろ、自分の足で立っているより楽だった。
彼女の敏感な部分に貼り付けられた器具は、相変わらずビンビンと淫靡な音を立て、
既に違和感も、快感も、嫌悪感も感じないほどに麻痺している。
深い溜息をつくと、また涎が一滴、糸を引いて垂れ下がり制服に染みを作った。
もう、この口枷を外そうともがく気力も、
口枷の下から声にならぬ声を上げて助けを呼ぶ気力もない。

いっそ変態男がここに現われて、私を思うまま犯してくれれば良いのに…
こんな惨めな姿で晒されるくらいならば、一思いに強姦されたほうがマシなのに…
目隠しの下から、涙が頬を伝って流れ落ちる。
日差はますます傾き、彼女の全身がじわじわと冷えてゆく。
相変わらず、変態男が戻ってくる気配はない…。

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