気が付いたとき、私はベッドに寝かされていました。
両手に手錠を掛けられ、ベッドの手すりにつながれて。
「な…何なのよ、これ…。」
引っ張ったり捻ったりしても、もちろん手錠は外れません。
金属の角が手首に食い込んで、ますます痛くなるばかりです。
「誰か…誰かいませんか!助けてください、誰か!!」
叫んでみても、声は部屋に反響するばかり。
…そもそも、ここは何処なんでしょう?
窓のない殺風景な小さな部屋に、ベッドが一つ。
天井にはジーと鳴る切れかけた蛍光灯。
それ以外、部屋には何も見当たりません。
いつの間に、誰が、どうやって、何のために、
私をこんな所に閉じ込めたのでしょう?
…どのくらい時間が経ったのでしょう?
いつの間にか、私は眠っていたようです。
目を覚ましたのは、尿意を催していたからでした。
いったん意識してしまうと、もうオシッコのことを
忘れることができなくなってしまいました。
身体を右に左に交互に捻ったり、脚を組んでみたり
してみますが、我慢には限度があります。
「あの…済みません、誰かいませんか!」
無駄を承知で、私は虚空に呼びかけます。
「私を閉じ込めた人、いるんでしょう?!私…
オシッコが出そうなんです!お願いです、この手錠を
外して、私をトイレに行かせてください!」
恥ずかしい言葉を必死に口にしますが、何の返事も
ありません。
尿意はいよいよ激しく、下腹が痛むほどになって
我慢ができなくなりました。
(駄目…もう、我慢できない…!!)
パンツもスカートも履いたまま、私はベッドの上で
オシッコを漏らしてしまいます…。
生暖かい液体が制服のスカートに広がり、シーツに
染みわたってゆきます。
(やだ、出ちゃった…オシッコ出ちゃったよぉ…)
足元から湯気がたちのぼり、次第に冷えてゆきます。
(こんなのやだよ…誰でもいいから、早く来て…!)
部屋は相変わらず人気のないまま、天井の蛍光灯が
鳴っているだけです。