その日、五限目の授業は体育だった。 発育前の少女らしくひょろ長い手足が、体操服姿では特に強調されるように見える。 「おい、瀬川!」 おもむろに声を掛けると、彼女は少し驚いたような表情で私を仰ぎ見た。 「な、何ですか、先生?」 「ちょっと話があるんだ。放課後、体育準備室に来るように。」 「あ、はい…」 彼女らしく歯切れの悪い返事は、何処か納得が行かない様子だった。 まぁ、無理もあるまい。 この後、私が彼女に何をしようとしているかを考えたならば…。
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