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hr222

見慣れない天井。知らない部屋。
気が付くと、私はベッドの上に寝かされていた。
ここは…どこ、だろう…。
どうして、私はここに、居るんだろう?
思い出そうとするが、頭がうまく回らない。
まるで霞がかかったように、記憶も思考もぼやけている。
無理に考えようとすると、頭が割れるように痛んだ。
頭を抱えようとして、右手の違和感に気が付いた。
…鎖?
何で、何でこんなものを付けられてるの?!
だんだん、自分の置かれた状況が理解できてくる。
制服の胸がはだけられ、ブラが剥ぎ取られていた。
ずり降ろされたパンツが足首に引っ掛かっていた。
やだ、やだよ、嫌だよこんなの…。
これって…つまり、犯されたってことじゃない…!
不思議と、怒りも悲しみも沸いてこなかった。
ただ、ひどく疲れた気がしていた。

…そうだ、昨日学校の帰りに、ミキちゃん達と遊びに行ったんだ。
そこで男の子グループと会って、一緒に食事して、それから…
あのあと急に気分が悪くなって、「送ってゆくよ」と言われて、
その後の記憶は混乱している。
薄暗い道を、見知らぬ男の子の肩にぶら下がって歩いた記憶。
苦労して鉄の階段を上がった記憶。
蛍光灯。天井。ぐるぐる回る。
のしかかる影。体温。激しい息、汗の臭い。
力任せに両脚を広げられ、そして?

…やめよう、思い出しても仕方がない。頭が痛くなるだけだ。
今、何時頃だろう。これから、どうなるんだろう? 壁に向かって寝返りを打つと、右手首に繋がれた鎖が鳴った。


@A_g@Cu`bg