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hr254

…もう、何時間経っただろう。
腕は背中に回し、脚は胡坐を組んだ格好でぎちぎちに縛られて、
口には奇妙な器具を噛まされて、ここに閉じ込められてから。
縛られた腕は痺れて、もうほとんど感覚がない。
冷たいコンクリートに押し付けられ続けた脚は、
まるで棒のようになっている。
痛い…全身が痛い。
身体をよじって、少しでも楽な姿勢を探そうとしてみる。
でも、身体をよじるたび鋭い痛みが走るばかりで、
厳重に縛られた身体はほとんど動かない。
海老反りの不自然な姿勢を強要され、全身がぎりぎりと痛い…。
どうして…どうしてこんな目に遭わなければならないのだろう。
私、ただの高校生だよ、女の子だよ!
こんなぎちぎちに縛らなくっても、いいじゃない!
理不尽さに怒りが込み上げ、猿轡を噛み締める。
その時、カチャリと音がして扉が開いた。
逆光の中に、あの男が立っている。
歪んだ笑顔で、私の惨めな姿を見下ろしている。
何?何が目的?!私をどうしたいの?
精一杯の怒りと、憎しみと、軽蔑を込めて男を睨んでやる。
彼は一瞬ぎょっとしたようだったが…すぐに、口の端を
更に大きく吊り上げた。
「思ったより元気なようだね、お嬢ちゃん?
 君くらいの娘は、3時間も縛っておけば大人しくなるんだが…
 どうやら君には、もう少し時間が要るようだね。」
な…何よそれ?嘘でしょ?!待って、放っておかないで!
猿轡の上から精一杯叫んでみる。
だが彼は耳も貸さず、再び扉を閉じてしまった。
私はまた一人、暗闇の中に取り残される…


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