ここに連れ込まれたとき、彼女はもう覚悟していた。
助けを求めるのも、抵抗するのも無駄だろうと。
ただ意識を空っぽにして、「それ」が終わるのを待つしかないと。
だが彼が取った行動は、彼女の予想とは違っていた。
彼は制服のまま彼女を柱に縛り付け、
片脚を縄で吊るし上げた姿勢を取らせると、
パンティの下に卵型のバイブを潜ませた。
そしてスイッチを入れて…それだけだった。
彼は煙草を吸い、部屋から出て行き、
コンビニ袋を提げて戻ってきて、パックの弁当を食べ、
漫画雑誌を読んで、何本目かの煙草に火を付けた。
…何?何がしたいの?私をどうしたいの?!
彼女だって、この世にSMという性癖があることは知っている。
しかし彼女の理解するSMとは女性を全裸にひん剥き、
縛り上げ、鞭で打ったり蝋燭を垂らしたりする行為だ。
ただ縛り上げて放ったらかすという彼の行為は、
彼女の理解を超えていた。
バイブに刺激された股間がムズムズする。
麻痺していた感覚が戻ってくる、胸が締め付けられる感覚。
どうして、どうしてこんな中途半端なことをするの?
こんな弱い刺激じゃ、イクことだってできやしない。
いっそ押し倒し、下着を剥ぎ取って犯してくれたら…
だめ、いけないと思いながら、彼女の妄想は暴走する。
赤黒く硬直した肉棒が、じっとり濡れた肉襞にめり込んで…
それが最初はゆっくり、次第に激しく往復し、
ひときわ深く突っ込まれた先から熱い汁がほとばしる…
ぴくっ。彼女は自分の股間が蠕動するのを感じる。
ねっとりした暖かい汁が、下着を通して染み出してくる。
やだ…私、一体何を考えていたんだろう…
こんな最低の、キモい、臭い、わけわかんない、
強姦もできない、変態の痴漢の犯罪者の男に対して、
こんなに…濡らしてしまうなんて…。