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hr096
 あの時からもう、どれだけの時間が経ったのでしょう…。この窓のない地下室では、朝昼晩の区別すら曖昧です。牢獄のような部屋で眠り、犬に与えるような残飯を食べ、そして若旦那様やそのお友達に繰り返し陵辱され…いっそ気が狂ってしまえばいい、と思うということは、きっとまだ私は正気なのでしょう。

 今日も目が覚めると、薄暗いコンクリートの壁と天井が私を取り囲んでいました。また夢ではなかった…と打ちひしがれる思いを抱えながら、粗末な洗面台で顔を洗って衣服をつけます。衣服…といっていいのでしょうか、それは革と鎖で作られた拘束具なのですが、若旦那様に命じられた以外のものを身につけることは許されていません。そして頭には、私がメイドであったことを示す唯一の品、ヘッドドレスを付けます。これも若旦那様の御命令です。

 銀のトレイを取り、おぞましい突起のついたバイブレーターを何本も乗せて、私は若旦那様を待ちます。彼が地下室に現れたら「お早うございます若旦那様、今日も麗華を可愛がってくださいませ。」と挨拶しなければなりません。この馬鹿馬鹿しい儀式にも、最近は何とも思わなくなりました。十字架に張り付けられて鞭打たれても、天井から鎖で吊られて三角木馬に乗せられても、激痛に泣き叫びはしますが、初めて体験した時のような、心のどこかが壊れるほどの衝撃はもう感じません。私はもう、そんな事にさえ慣れつつあるのでしょうか。

 若旦那様はいつまで、私をここに閉じ込めておくおつもりなのでしょう。私が泣き叫ぶことすら止めてしまったとき、彼もまたこのお遊びに飽きられるのでしょうか。私はふたたび、メイドとしてのお勤めに戻れるのでしょうか。それとも…使い古した玩具のように、屋敷を追い出されて捨てられるのでしょうか。そして若旦那様は、また別の女の子をここに誘い込んで調教なさるのでしょうか…。

 あの時以来、私はずっとここの地下室から出ることを、陵辱が終わる日のことを考え、それだけを希望として耐え続けてきました。それなのに今、私はここから追い出されることを恐れています。普通の生活、普通の社会に戻るということが、計り知れないほど辛く恐ろしいこととして感じられます…ひょっとすると、私はいよいよ気が狂ってきたのでしょうか…。

@A_g@Cu`bg