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hr301-1

ありふれた公立高校に通う、ありふれた女子高生。
私は、自分のことをそう思っていました。
そう、あの人に出会うまでは。
教師と生徒の禁じられた恋。
校内でさりげなく交わす視線、
人目を忍んでつなぐ手の温もり。
私は、そんなシチュエーションに酔っていました。
でも私のあどけない初恋は、
だんだん私を知らない世界へ引きずり込んで行ったのです。
先生は校内でも私に触れるようになりました。
階段の隅で、いきなり私を抱き締めたりしました。
私は誰かに見られるのが怖くて、
思わず先生を突き放してしまいました。
「僕の事が、嫌いになったの?」
「違います。でも…こういうのは、嫌なんです。」
そう言うと、あの人は哀しそうな目をしていました。

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