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hr315-1

その朝、通学路は妙に閑散としていました。
学校へ向かう生徒の姿が見あたりません。今日って休校だっけ?
学校に着いたら、校門が閉まっていました。
時計を見ると9時過ぎ…嘘?どうして誰も教えてくれなかったの?!
「何をしているんだね!」
鋭い声に振り向くと、見回りの先生が怖い顔で睨んでいました。
「そ、その、私、登校したんですけど、遅刻しちゃったみたいで…」
「みたい?ふざけているのかね、時計を見なさい。立派な遅刻だよ!」
「す、済みません、ごめんなさい、気がつかなくて…」
先生はチッと舌打ちして、校門の鍵を開けました。
「着いてきなさい。あ、そっちじゃない、こっちだ。」
「え、えーと、2年3組の教室はこっちなんですけど…」
「遅刻した上に口答えするのかね?いいから着いてきなさい!」
私は怖くなって、黙って先生の後を着いてゆきました。
でもうちの学校に、こんな建屋なんてあったっけ…?!

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